こんにちは。Petitです。
人や物があうことを「あう」といいますね。しかし、「あう」には、「合う、会う、逢う、遭う、遇う」と5つの「あう」があります。
どういう時にどの「あう」を使うとよいか困りますね。
そこで、今回はどの「あう」をどんな時に使うのかを解説します。
使い分ける時のポイントは2つです。
2 その時の気分はどうか
それぞれの「あう」の意味は次の通りになります。
会う・・・人と人があうこと、ある場所でであうこと
逢う・・・親しい人や思い入れがある人にあったり、運命的にであうこと
遭う・・・偶然、好ましくない出来事や、悪いものにあうこと
遇う・・・偶然、好ましい出来事や、良いものにあうこと
この5つの中で、他と区別しやすい表現は「合う」です。「合う」とは、ぴったり1つになることを意味しています。他の「会う」「遭う」「遇う」「逢う」は「顔を合わせること」を表します。さらに、 人とあう場合は「会う」「逢う」を使い、物事にあう場合は「遭う」「遇う」を使います。
さらに細かく解説していきます。
「合う」
「合う」という言葉は、いくつかのものが1つに集まる(集合する)ことや、同時にある動作をする(一致する)ことを意味します。また、他のものと馴染む(調和)という意味でも使われます。
簡単にすると、別々の人や物事が1つにまとまったり、寄り集まったりすることです。
「合う」と「会う」は語源が同じですが、使い方には違いがあります。
という点が異なります。
また、「助け合う」「落ち合う」など「○○合う」という動詞の連用形の後に付いて複合語を作るという使い方もあります。
「合」を使った熟語には「適合、集合、合一、合計、合成、合同、合流、合格、融合、総合、合理」などがあります。「適合」や「集合」などは、「合う」の意味合いに近い熟語になるので、覚える時に使えますね。
・AさんとBさんは意見が合わない。
・靴のサイズが合っていない。
・ビールやワインに合うおつまみを買う。
・みんなで話し合っておく必要がある。
・彼女とは相性が合わない。
・中村さんとは今の職場で知り合った。
「会う」
「会う」という言葉は、ある場所で2人以上の人が集まって、お互いに顔を向かい合わせて認識している状態のことを意味します。
「会う」は、人と人があう全て場面に使うことができます。
基本的に、人にあう場合は、「会う」を使えば問題ありません。
好きな人に会おうが、嫌な人に会おうが、偶然だろうが、必然だろうが、どんな場面でも使うことができます。「会う」はオールマイティーな「あう」と言えます。
もちろん、 相手が大勢いても、一人でも「会う」を使うことができます。
主に人に対して使いますが、レアなケースで物事に対して「会う」や「出会う」を使うこともあります。
「会」を使った熟語には「会議、会合、会社、集会、大会、社会、都会、会談、会話、再会、面会、機会、会計、一会、飲会、宴会、会意、会員」などがあります。先ほど、物事に使われるレアケースとして、この熟語の「会意」や「都会」などは、どちらかというと物事に「会」が使われているケースと言えるでしょう。
インターネットが普及した現在では、ビデオ会議機能などを用いて、同じ場所にいなくても顔を向き合わせることができます。こうした状況も「会う」と言えます。
しかし、「実際に向かい合う」というニュアンスが「会う」には強く感じられますよね。
・恋人に会いたいが、時間がない。
・友達と会う約束をしている。
・SNS上で交流した人と会う。
・同窓会で20年ぶりに同級生に会った。
「逢う」
「逢う」という言葉は、ある場所で2人以上が集まって、顔を見て認識することという「会う」と同じ意味を持っていますが、さらに、特別な人や好きな人にあうことや何か強い思いをもってあうことを意味します。
例えば恋人と会う時や、憧れの人に会う時などに使うことが多いです。つまり、「積極的に会いたいと思う好ましい人」であれば、「逢う」を使うということになります。
しかし、「逢う」は常用漢字外の使い方になります。小説やメールなど公ではない場で「特別な出会い」の場合に用いるのがよいでしょう。
「逢」を使った熟語には「逢着、遭逢、逢瀬、逢引、逢遇」などがあります。
・彼は恋人に逢いたくて、愛知からやって来たのだ。
・運命の人に逢いたい。
・旅先で古くからの友人と逢った。
・今の妻とは大学のサークルで出逢った。
・憧れの選手と夢で逢いたい。
「遭う」
「遭う」という言葉は、偶然に好ましくない出来事が自分の身に降りかかることや、嫌な物事を受けることを意味します。
悪いことが起きる場合に使うので、「交通事故に遭う」や「盗難に遭う」などのように使うことができます。
逆に、「幸運に遭う」「素晴らしい出来事に遭う」という場合は使うことができません。
「遭う」は偶然に起きるマイナスなことに対して使うと覚えておくとよいでしょう。
「遭」を使った熟語には「遭遇、遭難、、遭逢、辛苦遭逢」などがあり、やはり偶然にも不幸に「あう」という意味合いのものが登場していますね。
・海外旅行では、スリに遭わないように準備しておく。
・休日なのに街中で嫌いな人と遭った。
・交通事故に遭って大怪我を負った。
・津波による被害に遭った人達を少しでも助けたい。
「遇う」
「遇う」という言葉は、何かを行っているときに、偶然ある事態が身に起こることを意味します。
「遇」には「良い運がある」という意味があるため、偶然にも好ましい物事にあう時に「遇う」を使うことになります。
「遇う」はプラスなことに対して使うため、「遭う」のようにマイナスなことに対しては使うことができません。 「遇う」はプラス、「遭う」はマイナスと覚えるといいですね。
「遇」を使った熟語には、「遭遇、奇遇、境遇、千載一遇、優遇」などがあり、「千載一遇」は、偶然のラッキーが良く伝わる熟語になっています。
・今日は、宝くじに当たるという幸運に遇えた。
・商店街で撮影中の芸能人に遇った。
・帰省先で中学時代の恩師に遇った。
・出張先でたまたま通り過ぎる同級生に遇った。
まとめ
今回は「あう」についてまとめてみました。
もう一度おさらいするとこうなります。
「会う」は人にあう全般に対して使います。
「逢う」はあいたい人に対して使います。
「遭う」は偶然にあう嫌なことに対して使います。
「遇う」は偶然にあう良いことに対して使います。
基本的に表記する場合は「会う」もしくは「合う」を使っていれば問題ありませんが、微妙なニュアンスを漢字で表すときには「逢う」「遭う」「遇う」を使うとよさそうですね。
決して友達に「遭う」を使わないように。
ではまた。