「差す」「刺す」「指す」「挿す」など「さす」の違いを解説します。

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「さす」という言葉にはたくさんの意味と漢字があります。それぞれの「さす」の使い分けができるでしょうか。

今回は「差す」「刺す」「指す」「挿す」などの「さす」違いについて解説します。

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差す

差すの画像

「差す」は、大きく5つの意味があります。

①何かが表面に現れる。
②何かがその場に生じる。
③何かをかざす
④悪い気持ちを起こす
⑤細長いものが隙間から入る

「赤みが差す」という使い方は、①②の現れるや生じるという意味からなる言葉で、そこになかった赤みが現れたり生じたりするときに使います。

傘などをかざすように開ける時にも、この「差す」を用います。日傘などは、太陽に向かってかざしているということですね。

「魔が差す」のように、悪い気持ちを起こすときにも、この「差す」が用いられます。また、細長いものが何かの間を通る時にも使われます。細長い光が差し込むときや、相撲で相手の腕と胴の間に手を入れる時も「差す」を用います。

この「差す」が「さす」の中では一番一般的で、使い方が多くあります。他の「さす」とも重なる意味も多く、これを使っておけば、大体の意味は伝わると言ってもいいかもしれません。

具体的な使い方

「その話を聞いた妹は、頬に赤みが差した」
「毎日毎日同じことを言われて、嫌気が差した」
「外の日差しは思いがけず強かったので、日傘を差すことにした」
「ついつい魔が差して、手を出してしまった」
「木々の間から光が差してきた(細長い光の時)」
「刀を差す」(「刀でさす」場合は、刺す)

刺す

刺すの画像

「刺す」は、刃物のように先のとがったもので突いたり、突き通したりすることを意味しています。ぷすっと突き刺すイメージになります。

針を使った刺すの場合は、突き立てたり突き通したりすることから、針を突き通して縫うという意味でも使われます。

他にも「捕らえる」に似たような使われ方として、小鳥を捕らえたり、野球で盗塁をタッチアウトで防いだりする時にも使われます。

具体的な使い方

「針治療で頭に鍼を刺す」
「とっさにナイフで胸を刺してしまった」
「ぞうきんを刺す」
「大漁を願って、魚網を刺す」
「仕掛けを用いて鳥を刺す」
「強肩の彼は、何度も盗塁を刺した」

指す

指すの画像

「指す」は、指をさしたり、その方向を示したりして、それと分かるようにすることを意味しています。指差し確認的なものから、噂の的にするような時の使われ方になりますね。

もう1つは、ある方向へ進むという意味です。「目指す」という意味合いのものになりますね。また、この使われ方で将棋の駒を進める時にも使われていますね。将棋の駒は兵隊を表していますから、兵をある方向へ進めるという意味で使われている事になりますね。将棋はなぜ「さす」というのかは、これで少し理解ができますね。

具体的な使い方

「道に迷って確認すると、磁石は北を指していた」
「彼は前を指して叫んだ」
「彼の言う“彼女”とは、Aさんを指している」
「将棋の駒を指す」

挿す

挿すの画像

「挿す」は、細長いものを、他のものの間に入れることを意味しています。パソコンの操作の1つである「挿入」のさすという漢字がこれである事が、ここから分かりますね。

パソコンで挿入する物が毎回細長いわけではありませんが、セルだったり、文だったりと何となく長い物を入れている感じはしますよね。

これと同じ意味合いで、カンザシを髪の毛に付けたり、生花をする時に花瓶に花を入れたりる時にも、この挿すを使います。

具体的な使い方

「髪に花を挿す」
「春を表現するために花瓶に桜を挿す」
「大小を挿した侍が通る」
「状差しに手紙を挿して走った」
「挿し絵を描くバイトをしながら過ごす」

その他の「さす」

その他にも「さす」にはたくさんの漢字があります。その他の漢字は限定的な使われ方のものになるので、こんな時はこの漢字を使うと覚えていきましょう。

射す

射すの画像

「射す」は、陽の光や電灯の光などの光が、ある場所に入り込んだり、当たったりすることを意味しています。基本的には、光が当たる時にしか使用しないため、使いどころとしては限定的で分かりやすいですね。

具体的な使い方

「地面に光が射す」
「この時期は部屋に西日が射す」

 注す

注すの画像

「注す」は、注いだり、加えたりするという意味があります。この「注す」の使い方も限定的で、水などの液体を容器に入れる時に使います。 色を加えるという意味で、口紅などにも使われます。

具体的な使い方

「水を注す」
「口紅を注す」

点す

点すの画像

「点す」は、少し水などの液体を垂らすという意味で使われます。ほぼ目薬や点滴の時にしか目にしないようにも思いますが、ポタポタと少しの量を垂らしていくイメージの時の「さす」になります。

具体的な使い方

「目薬を点す」

まとめ

様々な「さす」の意味と使い方を確認してきました。たくさんあり過ぎて、使い方を知らないと間違いやすい漢字だということが分かりました。

実は、「鎖す」という漢字もありますが、これは門などの錠をするときに使うもので、ほぼ使うことがないので、ここでの紹介だけにしておきます。

今回の「さす」を簡単に表にまとめるとこんな感じです。

さす 意味
差す 何かが現れたり、細長いものがすき間から入り込んだりすること
刺す 刃物などで何かを突き通すこと
指す 物や方向を指などで示すこと
挿す 細長いものを中に入れること
射す 太陽の光や照明の明かりが入ってくること
注す 水などの液体を容器に注ぐこと
点す 目薬などをポタポタ垂らす
鎖す 戸や門に錠をすること

それぞれのポイントを押さえて、限定的な使い方をするものを間違えないように使いましょう。

基本的には一般的な「差す」を使っておくと間違いが少ないでしょう。

それでは、また。

 

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