「進める」「薦める」「勧める」「奨める」どうすすめる?

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こんにちは。Petitです。

今回は「すすめる」について解説します。

「すすめる」には「進める」「薦める」「勧める」「奨める」の4つの漢字があります。「進める」はそこそこ分かりやすいけど、「薦める」と「勧める」はちょっと分かりにくいですね。そこで、それぞれの「すすめる」の違いを解説します。

これら4つの「すすめる」を素早く区別するには、それぞれの漢字を熟語にするとよいです。すると、こんな感じになります。

 

「すすめる」の違い

「進める」は「前進」・・・前に進む

「薦める」は「推薦」・・・物事を採用するように促す

「勧める」は「勧誘」・・・物事を行うように誘う

「奨める」は「奨励」・・・物事を行うように励ます

熟語にしてみると、イメージしやすく、それぞれの漢字のもつ「すすめる」の意味が分かっていきますね。

見分けが付きにくい「薦める」と「勧める」については、次のことがいえます。

すすめているものが、「物事」「行動」かです。

物事そのものをすすめる「薦める」物事をするように行動をすすめる「勧める」ということになります。

では、それぞれの「すすめる」を詳しく見ていきましょう。

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「進める」

「進める」は、物事を前方に移動させるときや、物事を順調に仕上がるようにしていくときに使います。

「前の方へ位置を移す」「手順に従い物事をはかどらせる」「物事の程度をさらに高める」「時計の針を先の時刻を示すようにする」という意味をもっています。

「進」を使った熟語には、「進行」「進捗」「進歩」などがあります。

例文

・この目標を達成ため、すぐに計画を進める必要があります。

・スムーズに話しを進めないと、今日中に終わらないよ。

・敵の国に攻め込むために、軍隊を進めていく。

・サッカーの話になると、急に彼は膝を進めてきた。

「薦める」

「薦める」は、ある物事に適している人や物事の良いところを伝えて、採用を促すときに使います。

「人や物事の良い点を伝え、採用を促す」「推挙する」という意味があります。

「薦」を使った熟語には、「推薦」

例文

・みんなが彼を代表に薦めている。

・引っ越し先に〇〇県を薦めたが、家族に断られた。

・読んで感動した本を、友達に薦めた。

「勧める」

「勧める」は、相手にある物事を行うように促すときや、相手にものを渡して飲食や使用を促すときに使います。

「薦める」が物事そのものをすすめているのに対して、「勧める」は人に行動をしてもらうときに用います。

『是非、◯◯してみてください』ということを伝えるときに「勧める」が使えるということです。

「人がそのことを行うように誘う」「物事を行うように働きかける」「相手に物を差し出し、その利用や飲食を促す」という意味をもっています。

「勧」を使った熟語には、「勧誘」「勧奨」「勧賞」などがあります。

例文

・友達に好きなアイドルのファンクラブに入るように勧めた。

・子どもの運動靴がボロボロなので、買い換えるように勧めた。

・あの店の定食が美味しかったので、食べてみるように勧めた。

・息子にお風呂を勧めたが、ついに入らなかった。

「奨める」

「奨める」は、人を指導する立場や地位のある人が、相手にそれを行うように促し励ますときに使います。

意味の上では「奨める」は「勧める」と同じで、立場があるかどうかに違いがあります。

また、「勧める」と「奨める」では、「勧める」の方が「相手の意志を動かすように働く」という意味も含まれているため、少し強めな意味合いをもっています。

「励まし助ける」「物事を行うように働きかける」という意味があります。

「奨」を使った熟語には、「奨励」「奨学」「勧奨」などがあります。

例文

・彼は優秀なので、新しいプロジェクトを奨めてみた。

・耳鼻科医の先生が、タバコを吸わないように奨めている。

・先生から早寝早起きを奨められ、やると体調が良くなった。

 

※「奨める」の使用について

「奨める」は現在常用漢字外ですので、相手に行動をすすめる場合は、立場があろうがなかろうが「勧める」を使うことになります。

「すすめる」の辞書的意味

 

 

 

 

 

「進」 「薦」
意味 ①「すすむ」
「前へ出る」
「のぼる」
「出て仕える」
「よくなる」
②「すすめる」
「押し出す」
「ささげる」
「推挙する」
「階級をあげる」
③「贈り物」
④「尽くす」
①「すすめる」
②「差し上げる」
「供える」
③「差し上げた物」
「供え物」
④「敷物」
⑤「しく」
⑥「まこもの古名」
⑦「動物が食べる草」
⑧「しきりに」
成り立ち 「立ち止まる足の象形と十字路」の象形と、「鳥」の象形を合わせた会意文字です。

鳥が飛んでいく、「すすむ」を意味します。

「並び生えた草」の象形と「一本角の獣」の象形を合わせた会意文字です。

「一本角の獣が食べる草」を意味します。

追記 「饌(せん)」と同じ意味を持つようになって、「すすめる」、「供える」の意味も表すようになりました。
「勧/勸」 「奨/獎」
意味 ①「すすめる」
②「すすむ」
「加わる」
③「努める」
①「すすめる」
「はげます」
「推す」
②「ほめる」③「助ける」
成り立ち 「両目が強調された水鳥」の象形と「力強い腕」の象形を合わせた形成文字です。

「助けて行わせる」を意味します。

「長い調理台」の象形と「肉の象形と右手の手首を親指にあて脈をはかる」姿の象形を合わせて「肉を調理してささげる」の意味とした「将」と「耳を立てた犬」の象形を合わせた会意形声文字です。

「犬をおだてて(その気にさせて)肉をくわせる」、「すすめる」を意味します。

追記 ※「勸」は「勧」の旧字です。

まとめ

今回は「すすめる」の使い方について解説しました。

基本的には、「進める」「薦める」「勧める」の3つの漢字の使い分けができればOKです。特に、「薦める」と「勧める」は、物事か行動かに気をつけて使い分けるようにしましょう。

正しく漢字を使って、いろいろなことをおススメしていきましょう。

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