この世で最も狂った 母親の愛
「獣国のパナギア」作品紹介
作 者 : メイジメロウ
出版社 : 白泉社
ジャンル: 青年マンガ
掲載誌 : ヤングアニマルZERO
最新刊 : 第1巻
「息子の幸せに邪魔な奴は、全員殺してやる。」
獣人という、獣の姿を持ち人々から畏怖を向けられたケダモノが存在する世界。人と獣人が対立する中、自らが獣人であることを隠しながら息子を一人で育てる母親・ランダは、田舎町での獣人による大量殺人事件に巻き込まれてしまい…鬼才・メイジメロウが描く、母親の歪んだ愛が呼び起こす悲しき復讐譚!!
獣人という、獣の姿を持ち人々から畏怖を向けられたケダモノが存在する世界。人と獣人が対立する中、自らが獣人であることを隠しながら息子を一人で育てる母親・ランダは、田舎町での獣人による大量殺人事件に巻き込まれてしまい…鬼才・メイジメロウが描く、母親の歪んだ愛が呼び起こす悲しき復讐譚!!
「獣国のパナギア」のストーリー
獣人(ゾア)と呼ばれる種族は、物語が始まる100年くらい前にその存在を発見されたらしく、神現世界には馴染みのない容姿であった。
また、力が強いため脅威にも感じたらしく、人間からは畏怖と嫌悪を向けられる存在であった。
そんな中、獣人であることを隠してひっそりと暮らしていた主人公であるランダは、自分の息子とともに暮らしていた。
獣人の気配のない静かな村で住み込みとして働きながら暮らしていたが、近くの屋敷が獣人に襲撃されたことをきっかけに大きく人生が変わってしまう。
その屋敷で行われていた獣人売買の密売ルートからランダの名前が挙がってしまったのだ。
獣人の疑いをかけられ、そして息子の存在に気づかれてしまったランダ。
実は、ランダの息子は1万匹に1匹ともいわれる純血種の持ち主だったのだ。それを、狙って犯罪組織「ハイドラ」の罠にかかってしまったランダ。
息子をハイドラに奪われた彼女は復讐を誓うのだった。
「獣国のパナギア」の主な登場人物
ランダ=サティ
獣人でマーニの母親。獣人であることを隠して、村でひっそりと暮らしていたが、犯罪組織「ハイドラ」の罠にかかり、息子を奪われてしまう。
息子を取り戻すために、犯罪組織「ハイドラ」に立ち向かっていく。
狼系の獣人で、感情の高ぶりによりパワーが高まるタイプ。息子への愛情が激情へと変わっていったとき、最強の力を発揮する・・・。
マーニ
ランダの息子。
1万匹に1匹ともいわれる純血種の獣人。ということは、母親のランダも純血と言えるのではないかと思うが、そういう純血ではないのかもしれない。
角が今は1本生えているが、4本になると成熟するのだそうだ。
獣人の犯罪組織「ハイドラ」
レオのレガシー
最強の獣として存在しているハイドラの意思を束ねる者。人も純血種も何もかもが捕食対象であるとの情報で、現在のところボス的扱い。
ブタの獣人
培養されたか、作られたか、はたまた改造されたかして存在している獣人。もともとブタではないのかもしれないが、犯罪組織のハイドラで働く下っ端。
大富豪サシュカ=コーデリア
過去にハイドラに家族を奪われた少年。物語のスタートでレガシーに襲われていた家族の少年の成長した姿っぽい。
コーデリア商会を運営している。コーデリア商会は対獣人部隊として、サシュカが組織している部隊で、獣人や警察なども協力しているという。
コーデリア商会のメンバー
ロサ
コーデリア商会で隠密活動をしている少女。
猫系の獣人で鼻や目がよく動きも俊敏。その代わり、力は強くはないので、奇襲向きのタイプ。
ロック
グリズリーのロックと呼ばれている人物。根暗で臆病なタイプ。優しい心をもっていて、ランダが襲われそうなときに庇ったらしい。
多重人格?二重かもしれないけど、血の匂いで他人格のグリズリーのブラッドが目覚める。ロックとは違って、イケイケなタイプで強い。
カタリナ
サシュカの近くにいる獣人。護衛という役割もあるようだが、医者的な役割がメイン。
獣人が力を発揮したあとに訪れる「リバウンド」の軽減をさせる注射を持っている。
リンク
「獣国のパナギア」は獣人バトルダークファンタジー
獣の特性に応じた登場人物
様々なタイプの動物の獣人が登場し、その特性を生かした戦い方や活躍の仕方をする。
獣人がレアな感じで物語は始まるが、話が進むにつれて獣人が当たり前の世界が広がっていることに気づく。
様々な獣人が存在し、その獣の特性に応じた活躍をするってところも、「獣国のパナギア」の面白さにつながっているように感じる。
今後登場する獣人にも期待したいですね。
正義とは何かが問われているのかもしれない
獣人は人に生活の場を奪われて人と争うようになったとしているが、人は人で獣人に襲われて獣人を嫌うようになっているともされている。
どちらの言い分も、それぞれの立場に立てば見方が変わってしまうもの。
どの世界の争いもそうであるが、どちらにも正義があるということともいえる。
本当の正義とは何か。どうすれば共有できるのか。
物語が進んでいき、エンディングを迎える時に何かヒントになるものが伝わってくるかもしれない。
最強種「レオ」に「ウルフ」は勝てるのか
息子を奪われたランダの種族は「狼(ウルフ)」、そして敵の最終目標のレガシーは「レオ」と設定されている。レオはライオンのことだから、百獣の王ライオンが最終ボスということになる。
キーポイントは純血種のマーニとなるわけだが、犬系か、猫系か、どちらが強いのか・・・ってことになるのだろうか。
もしかしたら、マーニの父親が何系の種族だったのかが関わってくるのかもしれない。今のところ、父親についてはまったく触れられていないのだが・・・。
とにかく、母親ただ一人の復讐の物語ではなく、現在は組織の戦いになってきているので、組織で勝つ方向に向かっていくのかもしれないけどね。
今後の展開もたのしみですね。