『生命の樹』は救世主なのか破滅の罠か
夜ノ子-the doom liberators-
ギミック系のバトルファンタジー
近未来の世界を描く
極限状態での人の価値とは何か

キャラクター
綺麗さ
ストーリー
意外性
【作品概要】
一面の砂漠の中、巨木「生命の樹」の恵みにより人々が暮らす世界。旅人のマウロとイリィは訪れた街で、かつて内乱を引き起こした反政府組織「夜の子(ライラ)」の噂を聞く。そんな折、反逆の罪で捕らえられた女性・モカを救うべく、マウロ達は街の統治者の元に向かうが、そこには驚愕の光景が広がっていて…!? 恐るべき秘密が隠された神樹を巡る衝撃のダークファンタジー、始動!!
「夜の子」作者紹介
作 者 :早名ロク
掲載誌 :マンガボックス
#夜ノ子、今週も更新です!第16話後編。
お年寄りも大切にな。
コミックス1・2巻も配信中です。よろしくお願いします。 https://t.co/X5l1wVJvnY— 早名ロク【「夜ノ子」連載中@MB】 (@ROKUNAUSO) January 15, 2021
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「夜の子」登場人物
反政府組織「夜の子(ライラ)」
物語の10年前に首都を襲った、テロリストグループとしての位置付け。『生命の樹」の本当の姿を知り、人間の世界を取り戻すために戦った組織。10年前の戦いには破れて救世主とはなれずにテロ組織の汚名を着せられているが、反撃の準備を密かに整えている。
マウロ・トロンケット
神滅機(ディーサイド)1i(ウノイ)「暁星(ルシフェル)」を使う夜の子の一員。
左手の義肢に植え付けられた種の力を使って「生命の種」と同質の根を生成して刃と同化させた刀で敵を倒す。
イリィ・カンノーロ
神滅機2i(トゥイ)「蠅王(ベルゼブブ)」の使い手。
マウロよりは出力が高くはないが、足の機械を使って飛ぶこともできる。
足にある種からエネルギーを得た銃を撃つこともてかる。
レト
「ビアレッティ・ロッココ」がきっと神滅機の名前だと思うのだが、医療に特化した神滅機の使い手。少女のような姿をしているが、知識も多く、見た目で判断したらいけないような年なのかもしれない。
リア
技肢装具師。「命の種」を使った義肢を作成している。
9i(ノウェム)「宵魔女(リリス)」の使い手。リリスは爪のような武器で格闘系の戦い方を得意としていそうなタイプ。女性のような話し方をしているが、実は・・・なのだろう。イリィへアプローチをしているが(たぶんイイ男なら誰でもいいのかも)、相手にはされていない。
『生命の樹』を守る「種を蒔く者」たち
ウィタード・フラップジャック
「生命の種」を体に宿した総督(ドージュ)の近衛兵。「種を蒔く者」と呼ばれる怪物。
第七都市の生命の樹根を守っている。
人間という種は、集団の和を乱す者を排除して生きていた。
いつの時代も「生命の樹」は、そういう邪魔者を省くだけでなく自分たちの糧にできる、最高に合理的だろ。
と人の命の価値について発言するシーンがあり、『生命の樹』に関わるものは、そんな風に人の価値を考えているということが垣間見える。
リッジウェイ
エクスの市長。ゴールドバッチを持っていることから、「種を蒔く者」であることがすぐに判明。
マウロの因縁の相手のことを知っているようだが…。
ハロッズ
「神の栄光(ハニエル)」の使い手。
街の人々を全て食べ尽くしてマウロたちを待ち伏せしていた。
子供の姿やいろいろな姿に見せているが、実は秘密の場所に隠れている。
フォートナム
「神に似たる者(ミカエル)」を体に宿す者。
過去にマウロと何かしらの因縁があるようだが、登場時点では謎に包まれている。
トワイニング・チェルシー・バンズ
フォートナムに“先生”と呼ばれている人物。
自分の家族といっている”もの”が作られたものであることから、変人系の研究者タイプの人物だろうことが予想される。基本的に自分の思いに沿わない時はキレる感じがみられることから、かなりの危険人物であろうことが予想される。
それぞれの都市に住む人々
ルカ・ゼルテン
「生命の樹」を守る憲兵に憧れている少年。少年ならではの幼さで様々なことに首をつっこんだり、事情を把握しないで走り出したりと物語の初めに相応しい内容を大まかに把握するための存在って感じの登場人物ですね。
モカ・ゼルテン
ルカの姉。弟を大切に思う献身的な姉。
その優しさゆえに大きな事件に巻き込まれてしまうのだが、これも物語初めには必要なあらすじを伝えるために登場したって感じの人物ですね。
グレー・K(キドレー)・スフレ
自らある方の私兵だと語る謎の女性の兵士。ある組織からの連絡を受けつつ、「夜の子」を監視している。
ジャン
熱い心を持った自警団の一人。イリィの作り話に感動して年に入れようとしてしまうが、団長に止められる。
自警団を大切にしていて、さらに団長を尊敬していることが、節々から感じられる。
アン
エクスの自警団の団長。自分たちの街を大切にする女性。
冷静に相手を観察していて、洞察力も高い。
罪を犯した人物を簡単に樹の栄養にしても良いと言ってしまうところに、少し冷たい感情を感じてしまう。
「夜の子」に設定されている都市
第七都市「ヘブト」
物語の初めに登場する都市。中心の首都には『命の樹』があり、他の都市にはその根が生えているという設定。根を守る「種を蒔く者」がそれぞれにいるとい設定についても、この第七都市で判明する。
第六都市「エクス」
種を蒔く者の市長と自警団によって格段に治安を良くした都市。
元々は流民たちが集まってできたならず者の街だった。
第五都市「オグド」
医師と技師の町だが、ついた途端に町の人たちの姿はなく、急に人々が消えたようにいなくなっている。
第3都市「トリト」
「夜の子」の仲間がいるとされているコロニー。門番の暗号を伝えていよいよ中に入る・・。
首都「エデン」
「種を蒔く者」たちの主人が住んでいる首都。
「夜の子」の魅力は
「種を使った武器の使用には代価が必要となる。」
等価交換のシステムは”●●の錬金術師”的な考え方で、力を手に入れるためには、それ相応の対価となるものを提供しなければならないという原理原則的なものは理解しやすい設定だと思います。
命の種を使った戦いをするためには、「マウロたちの神滅機使いの代価は1人分の命」という設定がされていて、命を燃やして戦っているというのは必死さを伝えるにはよいかなと思います。
人の命の価値とは何か
このマンガは人の命の価値について言及している場面が多々あります。
働けなくなった者や、障害を持っている者など、現在では弱者と呼ばれている人たちを「用済み」な”もの”として扱っているのが「種を蒔く者」たちの考え方です。そのある意味役に立たない者たちが『命の樹』の養分になることで、少しでも役に立っている人たちの「水」や「生活」に貢献できるのであれば、それは全人類にとって無益ではないと・・・。
こういう視点で描いた場合、「確かにそうだ」と思える人と、役に立たない人などはいないという立場の人で読み味わい方が違うように感じます。
人の価値を何で見ているのか。自分自身が読んでいてどう感じるのかで、何となく判断できそうな作品です。
「夜の子」の作品紹介
第1巻
第1夜【夜月】(よるのつき)から第5夜【応報】(おうほう)までを収録。
第7都市と第6都市の出来事の物語。
第2巻
第6夜【歓待】(かんたい)から第13夜【直走】(ひたはしる)までを収録。
第5都市を攻略し、次なる場所へと移動しようとするまでの物語。